先住民とストーリーテリング

先日の「コレクティブ・ストーリー・ハーベスティング」ワークショップの際にお話しした内容を以下に掲載します。

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私は’89年からブラジルアマゾンの熱帯林と先住民の支援活動をしていました。環境問題・先住民・シャーマニズムに関わっていると、その頃はそういう人たちはとても少なかったので、おのずと互いと知り合って協力していました。いまはみなさん「先住民」という言葉を知っていますが、その頃は日本の一般の人の中では、「原住民」「土人」と、「野蛮な人たち」という扱いが普通でした。

いま、先住民でいちばん知られているのはネイティブ・アメリカンの人たちですが、ニュージーランドのマオリ、オーストラリアのアボリジニ(「アボリジニ」という言い方は差別的だそうです。)もいます。いまはそうやって誰でも知っていますが、当時は「なんでそんな野蛮な人たちを助けるの?」と言われることもある時代でした。

ハワイの著名な「クムフラ」にも、知り合いがいます。「フラ」とはハワイの伝統文化全体を指し、そのごく一部がみなさんご存知のフラダンスだそうです。「クムフラ」とは、医療、文化、伝承すべてを、たいへんな修行を通じて知っている人たちです。ハワイでは、『星の航海士』という本を書いたナイノア・トンプソンさんの最初の来日の際には、通訳をつとめさせていただきました。ヨット用語や海のことを知っている必要があり、先住民と海に詳しいという理由で頼まれました。インドネシアのサラワクや先に独立した東チモールの人々の活動にも関わり、サンフランシスコのあたりに住んでいた絶滅した先住民の本を書いた『オローニの日々』の著者、マルコム・マーグリンさんの通訳もつとめました。カリブ海の、やはり絶滅したカリブ族等、いろいろな人々の情報も入ってきていました。先住民ではありませんが、ブラジルや西アフリカの独特の宗教に接したり、ジャマイカのメディスンマンにも知り合いがいました。

’85年くらいから、私の知り合いたちがネイティブ・アメリカンの人々を日本にお招きするようになりました。その最初は、最近また有名になったデニス・バンクスという人だったと思います。さきほど話に出たナイノアさんはハワイ先住民ですが、伝統的カヌーと航海術を復活させて船を創ろうとしたら、ハワイの自然は一度ぜんぶ壊してリゾートにしたので、カヌーに使う木がなかったという話が本に出てきます。その時に木材を提供してくれたのが、アラスカ先住民のクリンギット族です。写真家の故星野道夫さんとも親しかったというクリンギット族のボブ・サムさんが現在日本に住んでおられると思います。

長い話になりましたが、それが私のバックグラウンドです。ボブ・サムさんの肩書きは「ストーリーテラー」ですが、最初に来日された時に、アマゾンの支援団体でストーリーテリングをしてくださいました。そのようなストーリーテリングが、ストーリーテリングだと思っているのが、一般的な捉え方だと思います。そこで、それとここでやっているストーリーテリングと何が違うんだろう?と考えました。

伝統文化の中で語られるストーリーは、「パブリック(公的)なストーリー」または「共有されたストーリー」と言えます。でもここでは、何かの目的のためにストーリーを利用するということをします。それは、「パーソナル(私的)なストーリー」となります。例えば講演会も、パーソナルなストーリーでしょう。そうしたストーリーにリアクション(フィードバック)があると、何か新しいものが生まれたり、発見したりします。そのためのある種の「ツール」またはひとつの「考え方」として、ストーリーを利用・活用するのが、今日体験して学ぶ内容です。

パーソナルなストーリーは、パーソナルですから、「否定のしようがない」という特徴があります。聴いた側は、「ええ〜っ!? そんなことはないでしょう???」とは言えません。その人にとっての真実であり、それをみんなが聴いて受け入れるので、受容体験を得ることができます。

ストーリーは古今東西のさまざまな文化でとても大事なものとされていますが、なぜ大事なのかを考えてみました。

先住民の文化では、長老や目上の人がストーリーを語ることが多いです。一口に「アマゾン」と言っても、ブラジル、ペルー、ボリビア等のたくさんの国を流域として、いろいろな部族がいます。私たちは、保護区となっていて一般の人が立ち入れない「シングー」という地域で活動していました。誰かがストーリーを語ると、子供達は一生懸命、目をキラキラさせて、聴いています。「ねえ、あのお話、またして!」と、何回もお願いをするそうです。文字がないので、毎回「真剣勝負」です。人間にとって根源的な、文化の継承や危険を回避する智慧等を、生活の中でも学んでいますが、ストーリーの形で得ます。これは、「情報」です。

それによって「関係性」ができて、コミュニティーが作られる・強化されるという機能もあります。また、そういう「長老的」「エルダー的」な「あり方」に日常的に触れることによって、「道徳観」「高潔な人格とは何か」「人間らしい生き方とは何か」を自然に学んでいます。

「情報」は、先住民のコンテキストでは「智慧」という呼ばれ方をします。その「智慧」の種類も考えてみました。まず、いちばん大事なのは「創成神話」です。創成神話とは、「世界や宇宙はどうやってできたか?」が神話の形で語られます。(日本にも神話があります。)それにより、「こうなって、ああなって、それで私たちはここにいます」ということがわかります。ほとんどの先住民文化には、創成神話があり、文字や図書館やパソコンはありませんから、それは全部、頭とハートで知っておかないといけない。神話は長い間、代々語り継がれてきたので、ほんとかうそか、もはやわかりません。伝言ゲームみたいなもので、途中でバージョンアップされたかもしれません。でも、本質は変わらないでしょう。創成神話は民族の誇りや感謝を抱くことにもつながりますが、個人的には創成神話があると、「私は何者であるか?」、つまりアイデンティティーを持つことができると思います。それがあると、人が「しっかりする」。私たちは、ここにある紙一枚、どこから来たのかわかりません。どこでどうやって育った木を切って、どうやって運んで、誰が紙にして持ってきたか、また、使ってゴミになると、どこに行ってしまうかわかりません。ところがアマゾンの先住民達は、どこにどの季節に行けばある薬草がとれるか知っていて、使い終わると土に戻ることを知っています。同じように、自分たちのルーツを知っていて、自分もいつかは土に戻ることが、毎日実感できます。だから、本当の先住民の人たちは「自分が自分であること」に何の迷いもなく、とても堂々と生きています。

ストーリーによって「知識・情報・智慧」や「文化」が伝達されますが、「道徳」も伝わります。先住民文化には「法」があります。

また、忘れてならないのが「精霊の話」です。精霊は、私はいると思いますが、一般的に「見えない」「聴こえない」です。でも彼らは見えたり聴こえたりするようです。視覚・聴覚と言うのではなく、違うチャンネルを通じて感じているのかもしれません。アマゾンの人たちはUFOや地底人ともふつうにお話しているそうですが。(笑)ですから、私たちはここから、あそこにある植木のところまで「何もない」と思っていますが、その間に無数に何かあるかもしれない。世界が充満している。それは、現代風に言うと「環境教育」です。「どこにも精霊が宿っている」。日本の八百万の神と一緒で、先住民の宗教はアミニズムです。

「どこにも精霊がいるから、大切にしなければいけない」と考えます。大切にするから、自分が生きることができます。

こうしたことを考えると、先住民の生き方はどちらにも偏らない「全脳的」であると言えるでしょう。また、システム思考的つまりホリスティックな発想です。

ちょっとはずれますが、今日のお話を考えていた時に頭に浮かんだのが「神聖さ」ということばでした。神聖さとは、不思議なことやおどろおどろしいことではなくて、もっとぜんぜん平易なことではないか? 「いのち全体に対するレスペクト」だと思います。「全体があって、自分はその一部だ」という感覚や、最近のU理論で言えばプレゼンシングの部分、「本質的なものにつながっている」という自信が、神聖さではないかと考えました。

では最後に、アマゾン先住民の活動を以前支援してくださっていた、某放送局のMさんが書いた、彼らの合意形成のプロセスに関する文章を読んでみます。ストーリーテリングには直接関係ありませんが、ファシリテーションや合意形成には、みなさんご興味があると思いますので。

<Mさんの文章は割愛>

「炎」は簡単に炎上する

先日、友人の猫2頭の去勢・避妊手術のために、車を出しました。術後のお迎えに行くだけなので、すぐに終わると思い、私は駐車場で待っていました。

密にメールでやりとりしながら、「いまから院長の話を聴きます」という連絡を最後に、10分経っても20分経っても、連絡はないし戻ってもこない。

最初はのんびり待っていましたが、「もしかして???」というスイッチが入った途端、どんどん妄想が膨らみ始めます。「もともと野良猫なので、何かの重大な病気がみつかったのかも」からさらに、「万が一のことがあったのかも。様子を見に行くべきか・・・いやいや、その状況に巻き込まれたくない」等々、留まるところを知りません。体は緊張し、心拍数も上がってきました。

結局、院長の丁寧な説明が長引いただけで、無事に戻ってきました。

さらに、Standing in the Fireワークショップ後の振り返りSkypeセッションでの出来事。私が急に体調が悪くなり、Skypeをつなごうとするも、連絡もせずにそのまま寝込んでしまいました。(すみません!)

参加予定の三人の間では最初の「大丈夫かなあ?」「何が起こったんだろう」からだんだん、「何かよくないことが起こったのかも?」「万一の場合、どうしよう?」となり、それを知った他の人たちにまで、大変なご心配をかけてしまいました。中には、「これはボクたちにわざと”炎”をつけて試す、なんらかの修行なのかも?」と考えた方もいらっしゃいました。(笑)

このように、「炎」は、あっという間につくばかりか、妄想はどんどん膨らんでいきます。人間が大きな脳を持つようになって「創造力」を手に入れた代償として、「心配性」となったのでしょうか? 人間の脳は「悪い方、悪い方へ」と考える能力に長けています。

必要な量と質の心配は大切ですが、こうやって「炎」に巻き込まれる脳を私たちが持っていることを再確認できる、最近のエピソード2件でした。

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次回Standing in the Fireワークショップ
2016年1月11日(祝)10:00-18:00@東京

*イベント詳細はfacebookイベントページ
ご覧下さい。
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不機嫌な客から逃げない

横山ニューグランドホテルのドアマン、田中良雄さんの記事を読みました。

彼が他のホテルマンと違うのは「不機嫌な客から逃げない」だそうです。それは、「不機嫌な客の気持ちをよく理解している」から。

それがホテルの質を高めるんですね。ファシリテーションも同じで、不都合なことや予期せぬこと、そして「困ったちゃん」から逃げないのが、よりよい結果を産み出すタネとなります。

「あり方を磨く」Standing in the Fireの脈絡で考えると、田中さんの態度はオープンマインドであり、「不機嫌な客=ファイヤー」と考えることができます。『プロフェッショナル・ファシリテーター』に出てくるバスドライバーの話と同じく、田中さんはどんな客に対してもニコニコと笑って「感情のwifi」を駆使されているのでしょう。

「ドアマン一筋400年!4万人の顧客を覚えるドアマンに密着」記事はこちらでお読み下さい。

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次回Standing in the Fireワークショップ
2016年1月11日(祝)10:00-18:00@東京

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ダイバーシティーを場に持ち込む

11月1日に、Standing in the Fire(SIF)ワークショップ第8期が終了し、参加された音楽家の後藤京子さんが、ブログを書いてくださいました。

● 後藤京子さんのブログ

『プロフェッショナル・ファシリテーター どんな修羅場も駆け抜ける6つの流儀』(原題:”Standing in the Fire”)はビジネス書として出版されていますが、私のワークショップには、ビジネスパーソンやファシリテーターだけでなく、様々な方が参加されます。これまでにも、福祉関係・医療関係・教育関係・国際開発関係・メディエーター(法律関係)・野外教育関係・音楽療法士・アーチストその他の方々が参加されました。

SIFワークショップを開発したラリー・ドレスラー氏も、「SIFは、本もワークショップも、ファシリテーターだけのための内容ではなく、広い層の人たちに役に立つはずだ」と言っています。

私が敢えて様々な方にお声をおかけするのは、これまでにビジネス以外の広い範囲で私自身が仕事をしてきたから、というのみならず、分野を超えて集まったグループの方が多様な視点を提供できる、そして、医療・福祉・国際開発等の「現場の」方々が、特にその話をしなくてもその「存在感」によってワークショップの場に「リアリティー」を持ち込んでくれると考えているからです。

それによって、「あり方」も磨かれていくことでしょう。

回を重ねるごとに、さらに多様な方々が興味を持ってくださり、ありがとうございます。それと同時に、ありとあらゆる分野で、ファシリタティブなあり方の重要性が高まっていると感じます。

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次回Standing in the Fireワークショップ
2016年1月11日(祝)10:00-18:00@東京

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「ファシリテーターインタビュー」を受けました

10/1に、「ファシリテーターインタビューVol.2」で、ファシリテーターの高柳謙さん(ガオリュウさん)にインタビューして頂きました。このシリーズは、「ファシリテーターは、どこにいますか?」という問いのもと、ファシリテーターが他のファシリテーターをインタビューするというものです。

以下は、ガオリュウさんがまとめてくださった記録です。(長文)
下に、グラフィッカーの和田あずみさんが描いてくださったグラフィックも掲載します。私自身グラフィッカーですが、描いてもらったのは初めてだったので、感激&感謝!です。

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ファシリテーターズ・インタビュー
Vol.02 佐々木薫

【系譜】活動家→ドラムサークル→ファシリテーター
【生息地】あらゆるところにいます。遍在してます。

インタビュアーのガオリュウこと高柳です。インタビューさせていただいた佐々木薫さん(以降、薫さん)について書かせていただきます。

私にとってはドラムサークルのファシリテーターであり、『プロフェッショナル・ファシリテーター どんな修羅場も切り抜ける6つの流儀』という本(http://www.amazon.co.jp/dp/4478027102)を日本に広めることを切望して、行動した人という認識のファシリテーターが佐々木薫さんです。

今回のインタビューで知ったことは意外にも薫さんの源流は活動家だということ。なぜ意外かといえば、ファシリテーターが一般的に捉えられる「促進させる人」という役割からは離れた存在に感じてたからかもしれませんが、薫さんを知る人からするとその発するエネルギー・熱量のすれば当然なのかもしれないなと納得。(笑)

知っている方は知ってますが、物事に「反対」するのは実はかなりなエネルギーが必要な行動です。曰く、当時の活動家はどの反対活動をみても、同じ人たちがいる…みたいな状態で、かなりな「反対」だったようです。しかし薫さんは、いくらエネルギーを注ぎ込んでも変わらない世の中に「思いは正しいけど、メソッドが間違っている」と考えて、行動を「反対・賛成どちらの立場にも加担しないけれど、かわりにここにずっと居て、祈ることにした」という方向に…。

あきらめや祈りの人生の通り道を経て「心ひらいてつきあう」までたどり着いた時期に、ドラムサークルに出会ったそうです。そしてするりと海外でしか行われていなかったドラムサークル・ファシリテーター養成研修に参加しに渡米した薫さん。その合宿過程の夜に自身が「完全受容」な感覚を味わった時、今の世の中・社会は、あらゆることが、人のなにかしらを傷つける(削る)ように出来ていると感じるようになったそうです。

そこから1000回以上のドラムサークルを経たファシリテーションについての話では、以下のことが印象に残りました。

インタビュー記事的にはすごく大事な話たちなんですが、いかんせん未だ租借できておらず文章にできず。まぁ、日本語、日本人の感覚からはなかなか明文化しづらいことを、アメリカはいい感じのパッケージにしてしまう…という話はなんか腑に落ちました。( ̄▽ ̄;)後は言い訳として、そもそも日本語でピッタリくる言葉がないからムリなんだなと。なので気になりましたら、薫さんご本人に聞いてみてください。(笑)

あ、後、これらは私が薫さんの話から受けた自分なりの解釈ですので、正しいとか正しくないとかは関係ありません。という意味では、薫さんに聞いてもわからないかもなので、私に聞いてくださいの方がいいのかな・・・。

・ドラムサークルは『よい音楽』ではなく、『よい関係性』を目的としている
・「ドラムを叩く」は男性社会の象徴
・失敗した時にはそって脱け出して戻る話
・ファシリテーターのエゴがなくならない話とファシリテーション中にどんどんエゴが死んでいく話
・コンテンツとプロセスと「さぁ~?どうなるんでしょうねぇ?(笑)」な話
・最終奥義「ホウチ」
・守破離の話

そしてインタビュー中に薫さんから何回か出た「みなさん、ファシリテーションってなんでしょうね?」は最終的に400字で考えてみる「宿題」となりました。

さて、最後はこの会の主旨である「どこにいますか?」という質問で場を閉じましたが、答えは…

『あらゆるところにいます。遍在しています。』

でした。

今回は事前の打ち合わせもほぼやりませんでしたが、ふりかえってみると、Vol.01のまちづくりの千葉さんの時のインタビューとはやはり問いの内容が違っていて、薫さんについては、なぜ今のスタイル、在り方に到ったのかを私が知りたかったみたいで現在の薫さんの話はほとんど聞きませんでした。でもそれだけ私がファシリテーターの在り方の真理にたどり着きたかったのだなと。誤解や何様?的な糾弾を恐れずに言えば、なんとなく薫さんと感覚が似ている気がしたんだと思います。

そして、翌日に薫さんと記事内容をチェックしていて気がついたのですが、薫さん的にも「いちばん言いたかったこと、というか、”いまの私”を全然話さなかった」となっていたので、「次回があればぜひ!」とのことでした。

次は薫さんがインタビュアーとしてもありだし、「今」を知りたくなった他のファシリテーターがインタビューすることもありそうですね。普段は自分のことを話せないファシリテーターが話す場としても聴く場としても使えればいいなと思っています。

以上、薫さん、参加してくださったみなさん、そして今回の会場を貸してくださった永和システムマネジメントさんに感謝。

※画像はグラフィックレコードを参加者の和田あずみさんが描いてくれたものです。感謝。

グラレコ1
グラレコ2

究極のファシリテーション×非暴力

昨日築地本願寺で行なわれた、真宗教団連合東京支部 公開講座2015 映画『カンタティモール』上映とパネルトーク「他を犠牲としない平和を問う」に参加しました。

http://www.canta-timor.com/
20年以上、各国のゲリラ兵士達の取材を重ねてきた監修の南風島 渉さんのお話ーーー。
 
インドネシア人の弾圧を受けるティモールの兵士はわずか1,000人、しかも「世界でもっとも弱いゲリラ軍」と言える。彼らは3万人のインドネシア軍と「闘い」(「戦い」ではないそうです。)、25年をかけてどの国も達成していない奇跡の独立を手に入れた。
 
イスラム国等のテロが頻発する一方で、彼らは「君を誘拐して殺せば、世界中からメディアがくるんだけどね」と冗談を言いながら、けして攻撃的なことをせずに細く長い闘いを黙々と行なった。インドネシア軍を捕虜にすると、自分たちの考えを滔々と話して、なんとその後釈放することにより、インドネシア人の間に賛同者が増えていった。
そして、奇跡の独立。
これが究極のファシリタティブな姿と言わずして、なんと呼べばいいのでしょう?
そして、彼らはどれくらいのStanding in the Fireを実践してきたのでしょう? 映画では、耐え難い体験を経てきた何人もの人が「悲しみは消えないけど、怒りはない」と、きっぱり言い切っています。
ファシリテーションと「高潔さ」、そして「人道的な戦略」は、関係があるのかもしれません。
● 11月1日(日)10:00〜18:00
「あり方」を磨くStanding in the Fireワークショップ【第8期】@東京
 https://www.facebook.com/events/140262772978454/
【あり方を磨くーStanding in the Fireワークショップ連動】
● 11月11日(水)19:00-21:00
第1回:”私の中の静かな場所”をみつける@東京 https://www.facebook.com/events/140262772978454/
● 11月18日(水)19:00-21:00
第2回:”私の中の小さな私”と仲良くする@東京
https://www.facebook.com/events/1480843638885816/

本当の感情をつかまえる

先日、大切な友人が大きな病にかかっていることがわかりました。物事は重なるもので、その他にも助けたい友人たちの課題があり、いろいろな要素がぐるぐると頭の中を交錯して、混乱している自分に気がついたので、気分転換に散歩に出かけました。

Stanging in the Fireの<流儀2>である「いま、ここ」は、言うは易し、の非常に難しい状態で、一日に数分もあれば上出来だと思います。その時の私は、せっかく散歩に行ったというのにまだ頭の中が入り乱れた思考でいっぱいでした。そこで、Standing in the Fireワークショップでご紹介している、ある実践法をすることにしました。

身体の状態をスキャンしてみると、胸のあたりに何かを発見しました。昔から様々な考え方の中で、胸には悲しみが宿る/感じられるとされていますが、すぐにそれには飛びつかず、静かにその「まだ名前のついていない感情」を観察して、「感情さん」と会話してみました。

しばらくして、ふと思いつき「その人たちの状況について悲しんでいるだけでなく、助けてあげられないことも悲しいの?」と尋ねてみたところ、急に胸が詰まり、涙ぐんでしまいました。その瞬間、それがそれまで「隠れていた/みつけられなかった」奥にある感情であることがわかりました。

身体の反応は思考より早いと言われており、身体にこそ感情のカギがあります。身体はウソをつきません。身体の反応を微細に捉えられることになればなるほど、「炎」に対処しやすくなります。そして、それは日々の実践を積み重ねていくしか方法がありません。
また、どんな感情をみつけたとしても、それが「その瞬間の真実」であり、「いい/悪いを判断する」「対処する」必要もありません。みつけたら、あったことを静かに受け止めて次に進めばいいのだと考えています。
【次回 Standing in the Fireワークショップ】
● 10月17日(土)9:30〜17:30
新しい時代に穏やかでブレない「あり方」で結果を産み出す方法Standing in the Fireワークショップ【第7期】@福岡  https://www.facebook.com/events/474316842749541/
● 11月1日(日)10:00〜18:00
「あり方」を磨くStanding in the Fireワークショップ【第8期】@東京
 https://www.facebook.com/events/140262772978454/
【あり方を磨くーStanding in the Fireワークショップ連動】
● 11月11日(水)19:00-21:00
第1回:”私の中の静かな場所”をみつける@東京 https://www.facebook.com/events/140262772978454/
● 11月18日(水)19:00-21:00
第2回:”私の中の小さな私”と仲良くする@東京
https://www.facebook.com/events/1480843638885816/

自分の状態に気づく→伝える

7月半ばに、九州まで陸路で(!)イヌネコ9頭のレスキューに行ってきました。猛暑と台風で、大変なオペレーションとなりました。

九州から東京までの陸路の移動は、動物たちには過酷な旅となるため、九州にいるほんの1〜2日で、できるだけ近場でいい里親さんを探したいと思い、地元の動物保護団体に協力していただきました。

動物保護に関わる人たちは、日々どんどん保護犬・保護猫がやってきて、ほんとうに頭の下がるような過酷な活動に追われています。そして、すごい集中力で熱心に取り組んでおられます。どの動物も緊急事態なのです。

私が相談したイヌたちについては、私がいる日程が限られているため、団体さんがあちこちに電話して、刻々と状況が変わり、高齢や障害で長旅に耐えられない動物をどうするか?と、緊迫した時間が過ぎて行きました。まさにファイヤー(炎)!

炎天下、「どうしよう! どうしよう! 時間がない! 〜〜さんからはまだ返事がない!」と、皆さんが戦々恐々としている間、私は不思議な気持ちで、そこにいました。前述の通り、こうした団体の人やボランティアさんたちは、動物の保護を第一に考えている人たちです。当然、そこには、心配・焦り・苛立ち・場合によっては怒りという、強い感情が渦巻いています。でも、動物を保護してきた当の私は、平然としているように見えたことでしょう。この上なくアツい人たちに囲まれて、ひとり静かにしている自分。だんだん居心地が悪くなってきました。

「もうちょっと動揺してる顔した方がいいのかな? 冷たい人だと思われてないかな?」・・・自意識がぐいぐいと頭をもたげて、「そこの状態と、ちゃんと一緒にいる」ことができなくなっています。「心の中のおしゃべり」に捕まった状態です。

しばらく躊躇した結果、私は正直に自分の中に起こっていることを、その場にいる人たちに伝えてみることにしまいした。

「あの〜、私、きっと平然としていて、無責任で冷たいように見えると思います。でも、私は皆さんや、今夜東京から車で駆けつけてくれる友人たちの”司令塔”であり最終判断の担当者ですから、最後まで気力・体力をもたせないといけない立場なのです。それに、こうした里親探しの緊迫した現場は初めてで、右も左もわかりません。ですから、けして気持ちがないという訳ではありません。自分のペース配分を考えているところなのです。ご理解くださいね」

そうすると、皆さん理解するばかりか、「そうです! 佐々木さんはそういう立場です。私たちはぜんぜん気にしていません。私たちは専門家としてできることを全力でやりますから、佐々木さんはご自分の役割に徹してください」と言ってくださいました。

それによって「心のおしゃべり」がストップしたのは、言うまでもありません。同時に、その人たちとの間の信頼関係がぐっと深まった気がします。

実際に東京に帰ってきてからもその団体代表さんとは、九州に残してきた動物のことや、こちらに連れてきた動物の里親探しについて、心安く密に連絡を取り合い相談しています。この間に残念ながら亡くなってしまった障害のあるイヌについても、電話で一緒に泣いた仲ともなりました。

(人間ではありませんが)命がかかっている場面でこそ、自分の中についた炎に敏感でいるのが大切であることを痛感する日々でしたまして人間の命に関わるお仕事の方々には敬服します。

*レスキューの全記録は以下ブログでお読みいただけます。(次の日記に行くには、日記の上の矢印>を押してください)
http://blogs.yahoo.co.jp/careformydeerdog/57041638.html
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  今後のINTEGワークショップ
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■ 次回Standing in the Fireワークショップ

【第7期】福岡開催 10月17日(土) 9:30-17:30
Facebookイベントページ https://www.facebook.com/events/474316842749541/
ご予約 http://ws.formzu.net/fgen/S94244505/

【第8期】東京開催 11月1日(日)10:00-18:00
Facebookイベントページ https://www.facebook.com/events/140262772978454/
ご予約 http://ws.formzu.net/fgen/S84358229/

■ 自然の中でひとりで過ごす究極の内省の時間「Being SOLO」

10月10日(土)〜12日(祝)@熊本県南小国町
Facebookイベントページ https://www.facebook.com/events/999643623391184/

■ 【あり方を磨く-Standing in the Fireワークショップ連動 】
8月19日(水)「”私の中の静かな場所”をみつける」<終了しました>
9月23日(水・祝)「”私の中の小さな私”と仲良くする」
Facebookイベントページ https://www.facebook.com/events/691298467680152/