あり方達人に訊く

私の周りには、ステキな”あり方”、憧れる”あり方”の方がたくさんいらっしゃいます。

また、海外でふとお会いした人の中にも、「この人の”あり方”は、なんかちがう」と感じる人は、だいたいファシリテーター、またはファシリテーターでなくても非常にファシリタティブなインタラクションをする人であったという経験もあります。

そういう方々の、何がちがうのでしょう? どんな過程を経て、そのような”あり方”になったのでしょう???

・・・ということを考えるうちに、「あり方達人に訊く」というインタビュー&対話イベントを行うことになりました。

“あり方”はまさに、三者三様、どれが正解というわけでもありません。そうした自分たちの多様性を認め受け入れることから、さらに”あり方”を磨いていくのだと思います。

第1回イベントのゲスト、青柳さんが「イベントのタイトルを見て、”あり方”が試されるなと思った」とおっしゃって気がついたのですが、それでも「そこに立つ」覚悟と勇気が、さらに”あり方”を磨くのだな、という「マトリョーシカ効果」も!

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「あり方達人に訊く vol.1」2016年9月29日(木)
イベントの詳細はfacebookページでご覧ください。                          ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

明晰さ、穏やかさ、勇気

先週末、ODNJ(ODネットワークジャパン)年次大会に、アダム・カヘン氏が登壇されました。カヘン氏はU理論の実践家として、世界中の社会問題に取り組んでいます。2010年のカヘン氏とパートナーのレアン・グリロ氏による「チェンジ・ラボ」ワークショップ来日の際には、私もスタッフとして参加しました。

今回またカヘン氏が淡々と話すのを聴きながら、志高い内容もさることながら、その凄みのある「あり方」に圧倒されました。

「社会変革の実践者に必要な心がまえは、何だと思いますか?」と5つのポイントをあげて、そのうちどれが正しいと思うか、来場者に問いかけがありました。私も含めて、たくさんの 人がその5つのうち多くのポイントを正しいと思う、と挙手で示しました。

「私も以前は、この5つが正しいと思っていました。でも、いろいろなプロジェクトに関わるにつれて、その正反対だということがわかってきたのです」

5つ目のポイントは、「従来正しいと思った心がまえ:人を変えさせる」→「新しい心がまえ:他の人を変えることはできない。自分が変わるという謙虚さを持つ必要がある」というものでした。上の「正反対だということがわかった」というのは、それを体現しているものであり、プレゼンターであるカヘン氏が自分の間違いをそうやってあっさりと自己開示する態度そのものに、彼の「あり方」の源のひとつがあると思います。これまでの著書でも、同様のことはたくさん書いてあるものの、あらためて対面で(カヘン氏はネット参加でしたが)聴くと、心に迫るものを感じました。

『プロフェッショナル・ファシリテーター』(原題:Standing in the Fire)の副題は、Leading High-Heat Meetings with Clarity, Calm and Courage(白熱する会議を明晰さ、穏やかさ、勇気を持ってリードする)ですが、まさに世界中の「炎」の中に立ち続けたカヘン氏の「あり方」そのものだと再確認しました。

■ 次回 Standing in the Fireワークショップ【11期 】8月6日(土)詳細はこちらからご覧ください。

食とサステナビリティ(2)

先日のお話の全文に加筆したものを掲載させていただきます。

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2016年6月27日「未来lifeセッション@NECソリューションイノベータ」インスピレーショントーク:佐々木薫

皆さん、こんばんは。佐々木薫と申します。

お話に入る前に、近々のニュースをお伝えさせてください。

1つめは、今年のODNJ(組織開発ネットワークジャパン)の大会のテーマは「イノベーション」ですが、そのメインゲストの一人が、サステナビリティ経営を行なっている多国籍企業のトップです。その他の大会コンテンツを見ても、「イノベーション=サステナビリティ」という概念が一般的になってきたのだなあと思いました。

2つめは、きのうJICA(国際協力機構)のSDGsの勉強会に行ってきたのですが、国連や政府側の若い研究員の発表者が、「企業にSDGsを考慮に入れた経営戦略を実行してほしい」ということを、熱く語っていました。ということで、経営とサステナビリティは切っても切れない関係にあると認識される時代が来たことをひしひしと感じて、また今日集まられた企業の皆様の興味のあるところかと、二つご紹介させていただきました。

さて、私は何かの専門家ではなく、何かを長年やってきた一般の人として来させていただいています。つまり、「何かについて詳しく知っている人」ではなく「俯瞰している人」として話をお聞きいただければと思います。

ではまず、今日なぜここにいるのかという背景をお話させてください。

私は、大学生の時にベジタリアンになりました。その頃、ベジタリアンは日本にほぼいなかったので、「何かの宗教ですか?」と聞かれていました。(笑) きっかけは故郷にいたベトナム帰還兵のアメリカ人に出会ったことで、ベジタリアンだったその人の影響を受けました。その後、食肉用の家畜を育てるには、膨大な穀物と水が必要であることを知りました。すでに世界各地の飢餓が問題になっていたので、ますますベジタリアンである価値を理解するようになりました。つまり、お肉よりも穀物そのものを食べる方が、はるかに効率がいいということです。

25年ほど前に、ジョン・ロビンスという人が書いた『エコロジカル・ダイエット』という本が日本で出版されました。著者は誰でも知っているアメリカのアイスクリーム会社の創業者の御曹司だと聞いていますが、その人が酪農業界の裏側を暴いたんです。その本との出会いも、衝撃的でした。

前後しますが、‘88年に上京した翌年、ブラジルアマゾン熱帯林と先住民の支援活動にかかわることになりました。イギリスのスティングというロック歌手がはじめた団体です。その頃はNPOというのはなくNGOと呼ばれる時代で、国内のことを扱う団体は少なくて、おもに海外援助を行なっていました。日本では地球の友やWWFも始まったばかりで、みんな仲間ですから情報が集まってきます。活動の情報だけでなく、自然食(その頃は「オーガニック」とは呼んでいなかった)や自然療法の情報もありました。日本で最初のフェアトレードを始めたのもその頃の友人たちです。そんな中で、「何を、どのように食べるか?」ということを考えてきました。

そしてぐっと時代は飛んで、最近はなぜか国連づいていまして、数年前から生物多様性条約会議に参加している友人の手伝いをしていて、今年4月にはカナダで開催された生物多様性条約締約国会議準備会合の一つに、彼女の通訳としてNGOメジャーグループという立場で参加しました。昨年は、仙台で行なわれた国連世界防災会議の女性メジャーグループでお手伝いをしました。防災とサステナビリティは一見関係ないと思えますが、気候変動と防災は深い関わりを持っています。

*メジャーグループ:国連における政府・国際機関以外の参加グループで、企業及び産業、子ども及び青年、農民、先住民族、地方自治体、NGO、科学・技術者、女性、労働者及び労働組合等のグループ参加が重視されており、各グループの調整機関としてステークホルダーフォーラムが設置されている。

そういう経緯で、今日ここにお招きいただいたというわけです。

「食とサステナビリティ」に関しては、3つの要素があると思います。

まずは、「自分のために選択する」。自分の体・心・スピリットのために、誰もが食物を選びますし、満足感や安全性を考えます。このことについては、多くの方がふだんから考えていると思いますので、今日はあまりお話しません。

二番目に、「地球または環境のために選択する」。それを聞いてまず頭に浮かぶのは、農薬や水の問題でしょう。きのう初めて知ったのですが、「バーチャルウォーター」という概念があるそうです。食物を輸入する場合、その農産畜産物を育てるのに要した水を輸入しているのと同じことになる、というものです。その他に、生物多様性のことを知るにつれ、外来種の問題、受粉の問題その他、たくさんの問題があることがわかってきました。

三番目は、「“つながり”と“多様性”」です。人間は一人で生きているのではありませんが、それは自然も海も森も同じです。食もそうです。どこかで互いにつながり合って、有機的に生きています。私は東京の西の端の高尾というところに住んでいて、近所に何人も有機野菜を作ったり売っている知り合いがいたり、自然食品屋さんがあったり、それぞれ小さな畑をやっていてわからなくなると教え合ったり助け合ったりしています。高尾にはそうしたコミュニティーがありますが、都会ではそういう生活はちょっと難しいかもしれませんね。

小田原に、耕作放棄地のみかん畑を受け継いでみかんを育てている「かなごて未来ファーム」という市民グループがいます。その人たちは、エネルギーにも取り組みながら、作物も、えごま・たまねぎ・ひまわり、そして今年からはお米と、活動を広げていっています。もちろんすべて無農薬です。私は年に数回ですが、みかんのお手伝いに行っています。その人たちの活躍が嬉しいし、やってる人もお手伝いに行く方も、家族ぐるみで参加します。そして、険しい斜面での重労働をご高齢となられた農家さんが続けるのは不可能だと、身に沁みてわかりました。

また、琵琶湖の野洲市というところで、無農薬なだけでなく琵琶湖の水質改善と湖魚の助けにもなる「魚のゆりかご米」というお米を作っている堀さんという方のお手伝いにも、たまにですが行っています。さきほどのカナダに一緒に行った友人曰く、「農薬を使うな、でも価格を上げるな、というのは、ムリ。無農薬だと手間がかかるというならば、お手伝いに行きましょう!」ということで、みんなで手伝ってみんなで買って食べています。私の地元の友人たちの飲食店や保育園でも、そのお米を使っています。お手伝いに行くと農作業だけでなく、そこの人々の豊かな暮らしを見たり、堀さんのご家族と一緒にごはんを食べたり、おしゃべりしたり、おばあちゃんが作った野菜をいただいたり、様々な立場から琵琶湖とその周辺の環境と文化の保全に取り組む方々とお会いしたり・・・。こうして、「食」を中心として、人とのつながりができていっています。

多様性については、最近、食にまつわる有名人、マクロビオティック、ローフード等々が話題になることが増えてきましたが、ひとつのことにガーッと入っていくと、他のものを許したり受け入れたりしなくなってきます。私は、そのような態度はサステナブルではないと考えています。「それもあるけど、これもあるよね」そして「たまには、あれもあるよね」という態度を体現していくことが、多様性であると思います。

次に、食に関して自分が何を大切にしているかを、三つ考えました。

一つめは「楽しむ」「豊かに」「ムリしない」「レスペクトする」という態度です。あまりストイックにやると長続きしませんし、「安全」と言われる食品は価格が高かったり入手に手間がかかったりという難しさもあります。「だいたい」のところで食べて、おいしかったり楽しかったりすればいいと思います。私もさきほどファーストフード店に行きましたが、たまにはいいのではないでしょうか。過去に、ストイックに「自然食」に取り組んだ人をたくさん見てきて、その中には病気になって亡くなった方もいらっしゃいます。「これを一口食べたから、ガンになるかもしれない!」と思う心の方が危険かもしれません。

それと、ストイックでいると、誰かを責めたり排斥したり仲間じゃないと考えたりしてしまう場合があるのも、多様性という視点からは変なことだと思います。

二つめは、「リアリティー」です。これは食に限らず、何に関しても大切だと痛感しています。私のいうリアリティーとは、人から聞いた話、 本で読んだことを頭で理解しているのではなく、実体験を通じてハッとしたり、腑落ちしたりすることです。

例えば、インドにヴァンダナ・シヴァさんという活動家がいらっしゃいます。私は2012年のリオ環境サミットの際に友人がヴァンダナさんのインタビューをしてきて翻訳を頼まれた時に彼女の存在を知り、「この人はすごい!」と思いました。その後、ナマケモノ倶楽部の辻信一さんがヴァンダナさんの『いのちの種を抱きしめて』という映画を制作中だと知って、「おしかけ翻訳」(笑)をしました。ヴァンダナさんはなんとかつて量子物理学者で、インド最初の高速増殖炉開発に関わっていたそうです。その後、180度転換したところに身を置いて、種を守る活動を行なっておられます。ヴァンダナさんによると、「種があれば、私たちはずっと豊かに安心して暮らしていくことができる。種は増えるし、人と分かち合うこともできる」 私はそれを知って、「なるほどなあ」と思いましたが、それは「頭で」理解したにすぎなかったのです。

じつは去年初めて、育てた野菜の種をとってみました。いつもは苗を買ってきて野菜を育てるのですが、今年は種から育てました。それで初めて、畝を立てる理由がわかったり、雑草にまぎれてどれが野菜の芽なのかわからなかったり、発芽しなかったり。それは発芽率や育て方の問題かもしれないし、そもそもそれがF1の種だったからかもしれない。「有機野菜」と言われたものも、種が出ないものもあり、「有機栽培で育てた」ことと「F1ではない」ことは、違うことなのかもしれないと思いました。

もっと瑣末な例として、この春に小松菜・ほうれん草・春菊を育てていました。もちろん農薬はまいていませんが、まったく虫に食べられない、「しめしめ、自然農法(じつは「放置」(笑))だと、虫は喰わない」と自慢げにしていました。野菜が育ち、そろそろ収穫できるかなと思ったある日、虫さんたちがやってきて一気に完食してしまいました。相手もプロですから(笑)、食べる時期をよく知ってるんですね。その数日後に、近所の誰かの畑を通りかかったら、 丸々とした立派なキャベツがずらっと並んでいて、モンシロチョウがたくさん飛んでいるのに、まったく虫喰いがないんです。農薬をまいていからです。それを見た私は、「農薬まきたくなるよね」と、心から思いました。自分は遊びや楽しみでやっているので、栽培に失敗したら買いに行けばいいのですが、職業や時給のために栽培している人は、そうもいかないでしょう。

先ほどお話した琵琶湖の田んぼにお手伝いに行くのも、リアリティーを持てるようになるための一つのきっかけとなりました。実際に体験したり感じたりすると、考え方と行動が変わります。それは、頭でたくさんのことを知っていることと、まったく違うプロセスとなります。

とはいえ、ちょっと田舎に住んでエコ寄りのコミュニティーを持っている私たちと同じようなことを、皆さんがやるのはちょっと難しいかもしれません。ですが、マンションのベランダでちょっと野菜を育ててみることは可能です。そうして「植物さんは、えらいなあ」と思ったり、鳥さんとプチトマトの争奪戦をやってみたり、農家さんの手伝いに行って「農作業って、こんなに暑くて過酷なのか?!」と感じてみたり、なにかしらできることはあるのではないかと思います。

そういうことをちょっとでもやってみると、大切に食べるようになります。大切に感謝して食べれば、体にもいいでしょう。

三つめに大切にしているのは、「体が必要としているものに敏感になる」ということです。そのためには、そのような体でいることが必要ですが、それはかなりハードルが高いかもしれない。

現代人は栄養過多なので、三日くらい食べなくても死にません。でも、「12時になったからお昼食べなきゃ」とか「きのうは中華だったから、きょうは○○」とか、頭で食べている。その一方で、最近は断食道場なんかが流行っています。でもわざわざ断食道場に行くのも大変なので、自分で食べる量をうんと減らしてみるといいです。・・・と言うと、ほとんどの人に「それができるくらいなら、苦労しない!」と言われそうですが(笑)、やってみると気持ちのいいものです。体も軽くなります。もちろん健康効果もあります。自分の体でいろいろ実験してみると、おもしろいですよ。

私は「Being SOLO」という、自然の中で一人きりで過ごしながらひたすら内省していただくというワークショップをやっています。ワークショップの最初にそれぞれの参加者に、無農薬のいい米で作った玄米おにぎりを数個だけ、「好きな時に食べてください」と言ってお渡しします。最初は、「ええ〜〜〜?! ○日間で、これだけ???」という反応が返ってきますが、「意外と辛くないですよ」とお伝えします。そしてワークショップが終わると、ほぼ全員の方が「ほんとうですね。意外と辛くなかった」とおっしゃいます。

先日、宮古島でのBeing SOLOの際、ある方がワークショップ終了時に「これまで“頭で”食べていたことがわかった」と話しておられました。食や断食を目的としたワークショップではないのですが、それも一つの気づきでしょう。ワークショップ中に自由に食べられるおやつも、チョコレートその他のお菓子よりも、ナッツやドライフルーツを好むようになります。ワークショップの最後に簡単な朝食をお出ししますが、ふだんはあまり手が伸びないであろう食品からなくなります。自然の助けを借りて、たった数日で体が喜ぶものを選別できる体に変化できることを見て、ちょっと希望を感じています。

ところで、こんなお話をさせていただいている私ですが、じつは食品についてあまり細々としたことを調べたりしないし、知ろうという気もありません。引っ越すたびに近所に自然食品店があって友達になるから、そこの人たちを信頼している。その人たちが選んだものなら信頼できる、という、ものぐさな方法をとっています。それも先ほどお話した「つながり」ですね。

きょうは、食とサステナビリティーについて、

要素(1)自分のため

要素(2)地球のため

要素(3)つながりと多様性

大切にしていること(1)楽しむ

大切にしていること(2)リアリティー

大切にしていること(3)敏感な体を作る

というお話をさせていただきました。

この他にもほんとうは、遺伝子操作、受粉、外来種、そして最新の「合成生物」と、いろいろお伝えしたいことがありますが、時間がきましたので、これでお話を終わらせて頂きます。ありがとうございました。

 

 

 

食とサステナビリティ

6月26日、NECソリューションイノベータ株式会社の「未来lifeセッション」という対話イベントで、話題提供者として「食とサステナビリティ」をテーマにお話させていただきました。

このグラフィックは、それに向けて頭の中を整理するために描いたものです。

右上の「健康」>「体」の部分は、皆さんふだんから考えておられることなので、詳細は割愛しています。

食とサステナビリティー 160613

「炎」は簡単についてしまう

以前のブログに書いた、2015年2月2日の日記です。

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先週、Standing in the Fireワークショップ第二期(全三回)が始まりました。

イントロの話をして5分くらい経った時のことです。部屋の時計は私の背後にあるので、見えません。「話し過ぎかな?」と考えながら話してると、正面に座っていた参加者のKさんが、私から目をそらして、ちらりと時計を見ました。

私の中ではその動作の意味は「長々と話してばかりいないで、さっさと始めてくれないかな〜」に決定! そう、勝手に解釈してしまったのです。「そうか、話しすぎなんだな」と、その後そそくさと、話をやめて参加者全員のチェックイン(自己紹介を兼ねて、その時自分の心の中にあることをシェアする)を始めてしまいました。

人間は、自分の考えの「証拠探し」をすると言われています。「話が長すぎるかな」と思っていた私は、「ほうらね! ああやって時計を見たでしょう? 話が長すぎてるからにちがいない」と、みごとに「証拠」をみつけたというわけです。それが「勝手な解釈」の正体です。

そしてワークショップの最後に、そのことをお話しました。するとKさんの反応は、「え?! ボク、時計見ましたっけ? しかも、そんなこと全然考えてなかったですよ」

『プロフェッショナル・ファシリテーター』にも似たような例がたくさん出てきますが、「炎」は、ささいなことで簡単についてしまいます。そして、その炎をつけているのは、他ならぬ自分なのです。

次回Standing in the Fireワークショップ【第10期】2016年5月21日
詳細はここ↑をクリックしてください。

不動心

たいへんな災害に見舞われている熊本をはじめとする九州の皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

余震がつづき、日に日に体力は奪われ、どんなに心細く怖く、先の見えない日々を送られているかと思うと、胸がつまります。

九州の皆様と全国の私たちが、どれくらい警戒や心配をしてショックを共有するべきか?それともずっと心乱され続けることなく心穏やかな状態を保つのがいいのか?・・・と、思いを巡らせました。東北の知り合いも「ストレスを軽減するストレッチや呼吸法」等を九州の方々に紹介しています。

考えているうちに、先日送られてきた、田坂広志さんのメルマガ2002年「風のたより」の再送版のことを思い出しました。

「坐禅を初めたばかりの若者と、長年修行を積んだ禅僧の脳波比較実験が行なわれた。瞑想状態になると二人とも、整然とした脳波になった。そこで二人を驚かせようと大きな音を立てたところ、二人とも脳波が乱れた。肝心なことはその後で、乱れ続けた若者とは対照的に、禅僧の脳波はすみやかに元に戻った。

不動心とは、”決して乱れぬ心”ではなく、”乱れ続けない心”なのです」

(以上、「風のたより」より要約)

九州の皆様はそうも言っていられない状態とは思いますが、支援・応援する私たちはそうありたいものです。

 

 

 

 

 

最大の「しまった!」???

『プロフェッショナル・ファシリテーター どんな修羅場も切り抜ける6つの流儀』に基づいて「あり方を磨く」Standing in the Fire(SIF)ワークショップは早いもので、次回第10回を迎えます。

最初のSIFワークショップ開催を決めて準備している最中に、たいへんなことに気がついてしまいました。

それは、「SIFの”先生”として、参加者は私自身の”あり方”を観察するに違いない!」ということです。それはあっという間に、私の内側に「炎」をつけました。まさに、「しまった! たいへんなことを始めてしまった!」とうわけです。

その後たくさんの方に受講していただきましたが、「立派な人に見られたい」「尊敬されたい」という気持ちを脇において、「今日の自分の身の丈のまま、みなさんの前に立とう」と肚をくくる修行に役立ちました。

「炎の中に立ち続ける(Standing in the Fire)」は、「自己受容」と関係がありそうです。

【次回Standing in the Fireワークショップ】

2016年5月21日 詳細はこちらでご覧ください。facebookイベントページはこちらです。

 

自然の中で「あり方」を磨く

3月19日〜21日、「自然の中でひとりで行なう究極の内省」Being SOLOを宮古島で開催しました。

宮古島でのSOLOは、2年前以上前に現地のシャーマンの方に連絡してから、開催までに長い時間がかかりました。

これまでに高尾、富士、奥多摩、熊本県南小国町と様々なところを会場にSOLOを行なってきましたが、今回は初めての海での開催。

Being SOLOはアウトドアイベントに慣れない方々に自然の中で過ごしていただくため、主催側としては安全を第一に準備・実施しています。

「場をホールドする」という表現がありますが、物理的安全の他にも、参加者が安全・安心にいられる「器」作りも、主催者の大きな仕事となります。同時に、私たち主催者もSOLOの体験をしています。

今回は動物・植物・海・天候(開始時は、文字通り嵐でした)はもちろん、「神々の島」である宮古島の聖地中の聖地を使わせていただいたので、「目に見えぬものたち」も色濃い気配のあるところでした。そんなところで場をホールドする能力が自分にあるのか?と、じつは自分の中に頭をもたげてくる怖れとも向き合う必要がありました。そのために入念な準備と、その特別な場所を使わせていただくことへの感謝を忘れないようにして、シャーマンの方との事前・事後の神様へのご挨拶も行ないました。

それでも、心の中にはザワザワが生まれてきます。自然の中でのハードな体験をしながら場をホールドするための「ニュートラルな気持ちでいる」「直観とつながっている」ためには、そして「刻々と的確な判断をする」ためにはまず、「心のおしゃべり」を静めることが必須となります。

これまでの人生の中での自然体験に加えてBeing SOLOの体験を積むにつれ、まだまだとはいえ、以前より早く「自分の中の静かな場所」につながる術が少しずつ身についてきていると感じます。

Standing in the Fireでも、「練習が大事」となっていますが、実践を積むことによってしか体得できないことがあります。

【次回Standing in the Fireワークショップ】

2016年5月21日(土)10:00〜18:00 @高尾 ←クリックすると詳細をご覧頂けます。

炎をくぐり抜けて

「中東で会議をファシリテーションしてほしい」と言われたのは、1月末のことです。しかも本番はわずかその2週間後、英語でのファシリテーションとのこと。技術駅な内容になりそうでした。

ちょうど宮古島に行っていて、地元のシャーマンの友人に「こんな話がきてるんですが・・・」と思わずもらしたら、しばらく「あちら」とつながった後に彼女は、「行ったら? やってみないと誰にもわからない。できない仕事は、来ない。大丈夫です!」と言ってくれましたが、すぐには決心がつきませんでした。

「チャレンジしたい!」と「私にできるだろうか?」の狭間を行ったりきたりしながら、結局2/19〜24に行ってきました。

この間、「プロフェッショナル・ファシリテーター」の著者、ラリー・ドレスラー氏と何度もやりとりをして、「怖れ」について話し合いました。

これまでの自分のパターンは、(1)怖れに捕われ緊張してみごとに大失敗し、またひとつ「自分には能力はない」という「 証拠をみつける」こと、(2)「スケジュールがあいていません」という口実でオファーを断り、自分の「へたれ具合」を責め続けること、だったので、第3のパターン、つまりラリーの著書の副題であるLeading High-Heat Meeting with Clarity, Calm and Courageの実践を目指したい、と伝えました。

仕事が本決まりになり、本番までのわずか2週間、内容的準備と共にいちばん力を入れたのは自分のコンディション作りと、怖れと向き合う作業でした。

たまたま開催された、お坊さんとの怖れについて語り合う会に参加したり、レメディーを送ってもらったり、ラリーのStanding in the Fireワークショップで行なう実践法に基づいて「お守り」を作ったり・・・。

その中で、私の能力を信じて応援してくれる人がたくさんいることがわかりました。それに、どれだけ助けられたでしょう。

旅程はハードスケジュールで、現場はもちろん予想外のことだらけでしたが、クライアントさんたちは成果にとても喜んでくださいました。

そして、戻ってからラリーに「告白」した、私の中のヒミツがありました。それは、秘かに一番怖れていたのは、あの白いアラブの民族衣装の人たちに取り囲まれてファシリテートするということ。我ながらくだらないポイントですが、私の中ではあの衣装に、あまり知らないアラブ人への勝手なイメージが象徴されていたのでしょう。でも実際に行ってみると、参加者はみなさん穏やかで協力的でした。

ラリーは「本当に人間の心というものは、自分の中で勝手に創り上げた”怖れのシナリオ”を”いとも簡単に創り出すものだね」と言っていました。

実際にハードな仕事でしたが、自分に一番「炎」をつけているのは自分自身だということが、さらに明らかになる数週間でした。

● 『プロフェッショナル・ファシリテーター どんな修羅場も切り抜ける6つの流儀』Standing in the Fire(SIF)ワークショップ【アドバンス】

SIFカバー

 初のSIFアドバンスワークショップです。SIFワークショップで網羅する「6つの流儀」を、さらに深く探究します。 前半は非言語ファシリテーションの体験から学び、後半は主に「私は何者か?」を掘り下げます。あなたのチェンジエージェントとしての「あり方」やリーダーシップ向上に一生役立つワークショップです。

*SIFワークショップ未受講の方もご参加いただけます。

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日 時:2016年3月12日(土)10:00〜18:00

会 場:東京都内(ご予約の方にお知らせします)

参加費:
・SIFワークショップ参加済みの方:19,000円
・SIFワークショップ未受講の方:23,000円
<早割(1/29までにお振込到着の方)>
・SIFワークショップ参加済みの方:17,000円
・SIFワークショップ未受講の方:21,000円

定 員:10名

お申込:こちらのフォームからご予約ください。

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SIFのいろいろな活用法

Standing in the Fire(SIF)ワークショップ終了後、2週間くらいした時点でSkypeで振返りセッションを行っています。

昨日の振返りの前につらつら考えていたところ・・・

先日急に、海外での大仕事を頼まれました。でもなかなか詳細がわからず、その仕事を実際にすることになるかも定かでない状況。自分がそれを受けたいかどうかも、わかりません。

SIFでは、まず体に起こる反応に注目しましょうという考え方があります。なのでこの間にも、何度か体を観察してみました。

振返りで「こんな反応があったんですよ!」と言おうとしたものの、さして強い反応を思い出せない。

一年ほど前に、強烈な体の反応が起こったことがあります。そうした体験を持つと、比較する対象ができます。

それを考えると、その海外の大仕事に体は頭ほど反応していない。つまり、私の本質は、それほどびっくりしていないということでしょう。

「頭の言うことに惑わされない」修行は、まだまだ続きます・・・。

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初のSIFアドバンスワークショップ開催!

2016年2月20日(土)@福岡
2016年3月12日(土)@東京■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■